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TRANOMON HILLS Station
Front Dental Clinic

インプラント治療の流れ

こんにちは。歯科医師の戸澤です。
前回のコラムではインプラントがどんな治療かブリッジや入れ歯の治療と比較してご説明させてもらいました。インプラントは、骨のなかにインプラント体(人工歯根)を埋め込み、そこにアバットメントと呼ばれる人工歯との連結部分にあたる部品を取り付け、人工歯をかぶせることで天然の歯に近い機能と見た目を取り戻すことのできる治療です。インプラント治療は、歯を失った患者さまにとって自然な噛み合わせや美しい笑顔を取り戻すための効果的な方法として広く利用されています。今回は、インプラント治療の詳細な流れについてご紹介させていただきます。

Step 1:カウンセリングと検査

Step 1:カウンセリングと検査

インプラント治療の最初のステップは、歯科医師とのカウンセリングです。患者さまに、まずは失ってしまった歯について、あるいは残念ながら残せないと判断された理由などご自身の歯の状態やこれまでの歯科治療歴、全身的な健康に関することなどを詳細に伺います。インプラント治療に関するご希望や不安に思われていることなどもじっくりお話を伺わせていただきます。その後、お口の中を実際に拝見し、口腔内の精密な検査を行います。失った歯だけでなく、お口全体の歯周病などの進行状況やお口の健康状態を精査させていただきます。さらに、レントゲン写真やCTスキャンを使用して骨の状態を評価します。虎ノ門ヒルズ駅前歯科ではカウンセリングを無料で行なっています。

口腔内の精密検査・CT検査:¥22,000

Step 2:治療計画の立案

Step 2:治療計画の立案

患者様の口腔内の状態や健康情報を基に、歯科医師は治療計画を立案します。ここで最も重要なことは、失った歯の骨の状態を精査することです。CTスキャンにより骨の幅、高さなど計測し、どこにインプラントを埋め込むか、どの種類のインプラントを使用するかを決めていきます。また、近年口腔内スキャナーにより人工の歯が入った状態をコンピュータ上で再現し、CTデータと重ね合わせることでインプラントを埋め込む位置をより正確に計画することが可能となりました。また、骨の幅に余裕がなくインプラントを埋め込むところが厳密に決められている場合でも、CTデータと口腔内のスキャンデータによりガイドを作製することが可能となっています。

Step 3: 歯の抜歯(必要な場合)

来院された際にまだ歯が残っている場合、まずは歯の抜歯を行います。抜歯から約6ヶ月ほど骨が治るのを待ちます。抜歯の際に治癒した骨が十分量得られない可能性がある場合、抜歯後の穴に骨をより作りやすくするための材料を入れることがあります(骨造成)。

歯の抜歯:通常は保険適用

Step4:インプラントの埋め込み(1次手術)

Step4:インプラントの埋め込み(1次手術)

次はいよいよインプラントの埋め込み手術です。手術は通常、局所麻酔を使用して行いますので、患者さまは手術中に痛みを感じることはありません。外科手術の治療が怖い方や苦手な方は麻酔科の先生のもと、静脈鎮静を用いて眠った状態で手術を行うことも可能です。インプラントの埋め込み手術は、失った歯の歯茎に小さな切開を行い、骨に少しずつドリルを行うことでインプラントを埋め込むための穴を開けていきます。そして最後にインプラント体を骨に埋め込みます。骨とインプラントがまずは最初にしっかりと食い込まれているか確認します。最後に切開した歯茎を糸で縫って手術は終了です。
インプラント1次手術に伴い、骨が足りないところに骨を作るための骨再生療法、骨造成と呼ばれるソケットリフト、サイナスリフトという手術を行うこともあります。

Step5:インプラントと骨が結合するまでの待ち時間

Step5:インプラントと骨が結合するまでの待ち時間

インプラントが骨と結合するプロセスを待つ期間は「ヒーリングプロセス」と呼ばれます。この期間中、患者さまは一時的な人工の歯を装着することがありますが、奥歯などで見た目に不便がない場合は歯がない状態で過ごして頂きます。
埋め込まれたインプラントは骨と結合するまでに、上顎で平均約4ヶ月、下顎で平均約3ヶ月かかります。特にインプラントと骨が結合するために重要と言われる期間が1次手術から3週間と言われています。例えば、骨が折れたときにギブスをして1ヶ月ほど固定し、骨と骨をくっつける期間をとるように、インプラントと骨が結合する大事な期間になります。手術した部位での食事に注意して頂き、お口の中の口腔衛生状態をいい状態に維持することが大切です。当院では、糸を取り除いた後も定期的に通院して頂き埋め込んだ部分の経過とお口全体のケアを行わせて頂きます。

Step6: 2次手術と仮歯のための型取り

Step6: 2次手術と仮歯のための型取り

インプラントと骨がしっかりと結合したら、次はインプラント体の上にアバットメントと呼ばれる部品の取り付けを行います。歯茎が被っている場合は小さく歯茎を切開しインプラント体のネジの頭を出す小手術を行います。歯茎の状態により2次手術と同時に仮歯の型取りを行うこともあります。基本的には2次手術後歯茎が治るのを1、2週間ほど待ち、型取りを行います。

Step7: 上部構造(人工歯)の製作と取り付け

Step7: 上部構造(人工歯)の製作と取り付け

仮歯を使用して頂き問題がないことを確認したのち、人工の最終的な材料を用いてカスタムメイドの上部構造(人工歯)が製作されます。構造によりインプラントとネジ固定で取り付けられる場合と、セメントで取り付ける方法があります。歯科医師は上部構造の色や形態を患者さまに合わせて選び、自然な見た目と適切な噛み合わせをご提供します。

Step8:メインテナンス

インプラント治療が完了したら治療が終わりではありません。インプラントは定期的なメインテナンスが重要になります。インプラントだけでなく、お口全体の定期的な検診とメインテナンスがインプラントを末長く使える秘訣になります。歯科医師や歯科衛生士の指導のもとインプラント部位のセルフケアを日々行なっていただくこと、定期的なメインテナンスにより専門的な口腔ケアを行いましょう。

◎まとめ

◎まとめ

インプラント治療は、歯の欠損を補うための効果的な方法です。治療の流れや治療にかかる期間、治療中の注意点などをしっかりと理解して頂くことが大切です。患者さまそれぞれで骨量やお口の状態が違うため、しっかりと術前の検査を行い、歯科医師の説明を受ける必要があります。骨の状態によっては骨再生療法や骨造成などといった補助的な手術が必要な場合もあります。また、インプラント治療は高度な手術であるため経験豊富な歯科医師によって行われることをお勧めします。そしてインプラント体である人工歯根と骨がうまく結合しなかった時、残念ながら埋め込んだインプラントを失ってしまうこともあります。その可能性はかなり減ってきていますが、そのリスクを歯科医師が説明し、失ってしまった場合の対応についてもしっかりと説明を受けてください。最後に、インプラント後の適切なセルフケア方法を歯科医師や歯科衛生士から受け、日々のクリーニングにも注意していただく必要があります。また、専門的なメインテナンス、アフターフォローもインプラントを長く使用していただくのに必要不可欠です。インプラント治療により患者さまにご満足していただくことができると思います。ぜひインプラント治療についてご質問、心配なことがありましたらご相談ください。

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