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インビザラインの平均的な治療期間ってどのくらい?

こんにちは、歯科医師の杉田です。
インビザラインはマウスピース(アライナー)を用いた歯列矯正で、アメリカを本社に置くアライン・テクノロジー社が1997年から始めた歴史のある矯正治療で、マウスピース矯正の中でも世界シェアはNo.1その治療数も最多です。インビザラインは、透明なマウスピースを使用し、ご自身で取り外すことが可能なマウスピース矯正治療の一つです。特に目立ちにくいことや取り外せるというメリットがあり、見た目への影響を最小限に抑えることができるため、インビザラインは非常に魅力的な矯正治療です。
矯正治療を考えられる方はどのくらいの治療期間がかかるのか気になる方もいらっしゃると思います。今回はインビザラインでの平均的な治療期間や治療期間に影響する点をご紹介したいと思います。

1 インビザラインの平均的な治療期間

1 インビザラインの平均的な治療期間

① インビザライン
インビザラインと通称呼ばれるマウスピース矯正は大臼歯まで全顎的に歯を動かす矯正治療で、期間は2年から2年半ほどが一般的です。1枚のマウスピースで動かせる歯の距離は約0.2mm〜0.25mmほどで、約2週間毎にマウスピースを交換していくことで少しずつ歯を移動させていきます。重度の症例の場合は多くのマウスピースを使用し、軽度な症例に比べて治療期間が長くかかります。
②  インビザラインGo
インビザラインGoと呼ばれるインビザラインの矯正治療は、小臼歯までの歯を動かす矯正治療で、期間は半年から1年ほどが一般的です。インビザラインの大臼歯までを動かす場合と比較して治療期間が半分ほどになりますが、軽度な症例であったりと症例が限定されます。
また、インビザラインの治療が終わった後は「リテーナー」という後戻り防止のためのマウスピースの使用が必要です。なるべく長い期間の使用が理想的ですが、最低でもマウスピースを使用して歯を移動させていた期間と同じ期間の使用が推奨されています。せっかく歯が綺麗に並んでもリテーナーをしっかり付けないと後戻りをしてしまい再度治療が必要になってしまうのです。
インビザラインもインビザラインGoもこの治療期間はあくまでも平均を示したもので、年齢や歯の状態など、お口の状態によって個人差があるため、詳細な治療期間は担当の歯科医師の説明を聞いてください。

2 インビザラインの治療が長引くのはどんな時?

2 インビザラインの治療が長引くのはどんな時?

① 虫歯、歯周病などの治療が必要な時
 インビザラインの治療を開始する前に、担当の歯科医師は歯並びの評価をするだけでなく、虫歯や歯周病など口腔内の精密検査を行います。そのためインビザラインをする前に虫歯治療などを行った上で治療を開始します。しかし、インビザラインの治療途中に虫歯になってしまった、歯茎が痛くなってしまったなど緊急の治療が必要になる場合もあります。特に虫歯治療が必要になった場合、詰め物などにより歯型が変わってしまうため、治療前に作製したマウスピースが合わなくなってしまうことがあります。このような場合は、再度型取りを行いマウスピースを作り直さないといけないため、当初予定していた治療期間よりも余計にかかってしまうのです。

② 抜歯を行う場合
歯列矯正の目的は様々です。その中でも多いのが「叢生」と呼ばれる歯がアーチ状に並べずガタガタしてしまっている症例、出っ歯など歯が前に出ている症例では、歯を奥に引っ込めることで口元を下げるように歯を動かしますが、歯の移動に必要なスペースを確保するため抜歯を行うことがあります。抜歯を行ったことでできたスペースを閉じるように歯を動かしていくため、抜歯を必要としない症例に比べると治療期間が長くなります。

③ マウスピースの装着時間が足りていない場合
インビザラインでは、マウスピースを装着する時間は1日21時間以上必要です。日常生活の中での食事、歯磨き以外の時間は装着していただく必要があるため、装着時間が短くなってしまうと適切な歯の移動量が見込めません。そのため、マウスピースを交換していくタイミングが遅れてしまうことで治療期間が長くなります。また、あまりに長時間マウスピースを外してしまうと、再度装着しようとした時に入りづらくなってしまう可能性があります。
当院では装着時間を守っていただけるか、装着時間について治療を始める前に詳細にお話ししております。

④ マウスピースを紛失してしまった場合
マウスピースを紛失してしまった場合は、まず歯科医院に連絡をお願い致します。紛失してしまったマウスピースの再作製を依頼しますので、届くまでの間は1つ前のマウスピースに戻って装着して頂きます。マウスピースが届くまで、治療が中断されてしまうため治療期間が延びてしまいます。マウスピースは透明で目立ちにくく、誤って捨ててしまうことなど紛失してしまうこともあります。外す際には、お渡しする携帯ケースを常にお持ち頂き、外したらケースにしまう習慣をつけていただくと良いかと思います。万が一紛失してしまっても再製作は可能ですので心配なさらずご連絡ください。

⑤ 治療途中で追加のマウスピースが必要な場合
インビザラインでは、治療のゴールをシミュレーションで正確に診断しスタートしていきますが、治療計画通りに歯が動かない場合もあります。より綺麗な歯並びにするため、治療途中で追加のマウスピースを作製する「リファインメント」と呼ばれる方法をとることが有ります。最初に計画した治療間にはリファインメントを考慮した期間が算出されていますが、しっかりと決まった時間のマウスピースの装着や装着方法を守られていても、コンピューターが作成した治療計画と実際の歯の動きが伴わないことがあるのも現状です。実際には多くの患者さまがリファインメントを行なっています。そのため私たちは初めに治療計画の見直しが途中で入る可能性それによる治療期間の延長をお話させて頂いています。

3 インビザラインの治療期間に関連して気をつけたいこと

3 インビザラインの治療期間に関連して気をつけたいこと
3 インビザラインの治療期間に関連して気をつけたいこと

 インビザラインと治療期間に関連したキーポイントがいくつかあります。事前にそのポイントを押さえることで治療期間を短縮できることもあります。

① 治療開始前のお口の精密検査
インビザラインを開始する前にお口の中の虫歯、歯周病や歯の根の感染など精密な検査を行い基本的にはそれらの治療が完了してから歯型をとりインビザラインの治療計画を詳細に立てていきます。当院では、インビザラインだけでなく親知らずの抜歯から虫歯の治療までお口の中全体の治療をチーム医療で行なっているため安心してインビザラインの治療を始められます。

② マウスピースの装着時間を守る
インビザラインマウスピースの装着時間は1日21時間以上です。食事や歯磨きなどで外す以外は基本的に装着することで歯が適切なスピードで動いてくれます。取り外しができるというメリットもありますがご自身で装着する意識を持っていただくことが必要です。治療をなるべくスムーズに進めていただくためにもきちんと装着時間を守って頂きたいと思います。

③ 通院頻度を守る
インビザライン治療期間中は2週間に1回〜月1回程度の通院が必要です。マウスピースがきちんと歯型に合った状態で装着されているか、歯の動きに問題がないか、次のマウスピースをお渡しするために来院して頂きます。スムーズに治療を進めるためにも定期的に決まったタイミングで通院していただくことが必要です。

④ ワイヤー矯正を併用する
ワイヤー矯正治療はインビザラインのマウスピース矯正に比べて歯の動きが早いため、抜歯などをして歯を動かす矯正治療が必要な場合や歯の動きがより複雑な症例では、治療期間の短縮のためにワイヤー矯正を併用されることをお勧めしています。しかし、一定期間でもワイヤーを装着しないといけないため見た目が気になる方などには併用が難しい場合もあります。また、症例によってはインビザラインでは綺麗に並びきらないことがあるため、その場合はワイヤー矯正を行うことも当院では事前にご説明させて頂いています。

⑤ アライナーチューイを使用する
アライナーチューイーとは、マウスピースを歯列に合わせて歯にピタッとフィットさせるためのシリコン製のロール状の棒のことです。当院ではマウスピースを入れる際にはチューイを使っていただくことを推奨しています。ご自身でマウスピースを合わせても入りきっていなかったり、キツく感じられご自身の指で押し込むのが難しいことがあります。チューイを使用してマウスピースを装着すると、マウスピースと歯型が密着することで歯の移動に必要な力が適切にかかるためスムーズに歯が動いてくれます。患者さまの歯列によっては1分間ほどチューイを噛んでいただくことを指示させていただくこともあります。これまでの経験からチューイを使用して頂いている患者さまは歯の動きがスムーズなことも実感しております。

詳細は担当の歯科医師にお尋ねください。

◎ まとめ

◎ まとめ

インビザライン治療にかかる平均の治療期間は、約半年〜2年半です。治療期間は症例によって幅があります。治療期間に関わるポイントなどを患者さまにも十分理解していただかないと治療期間が延びてしまう可能性があります。見た目が良く、取り外しができるというメリットがある一方で、装着時間などの自己管理も必要です。少しでも治療をスムーズに治療期間を短くするには、装着時間や通院間隔など、基本的な事項を守って頂きながら治療を行っていけるよう私たちスタッフもご協力させて頂きます。疑問や心配な点がありましたらスタッフまでお気軽に聞いてくださいね。

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